読み取り、発見、呼び出し、決済が可能なオープンなエージェンティックインターネットの構築
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当社データによると、良性ボットからのトラフィックの多くが変更されていないページを再取得しています。数十億件に及ぶリクエスト。膨大な計算処理。それが何ら成果を生まない状態。これはまさに、人間のために作られたWebを別の何かが訪れている証拠です。
エージェントが到来しました。しかしそれは、新種のソフトウェアとしてではなく、新種のWebサイト訪問者としてです。
この新しい訪問者を中心に再形成されるWebが、いわゆる「エージェンティックインターネット」です。私たちが描く未来像は、読み取り、発見、呼び出し、決済が可能なインターネット。その未来を実現するには、そのためのツールとプロトコルが必要です。
Cloudflareの開発者プラットフォームは、エージェントが動作する場と初のエージェント構築ツールを提供しました。あと必要なのは、エージェントとドメイン所有者が、1つのプラットフォーム内だけでなくオープンインターネット上で、衝突せずに協力できるようにするツールです。
これまでは、すべてのブラウザがUser-Agentというヘッダーで身元をWebサイトに伝えるのが常でした。その名前は、ブラウザがユーザーの代理として動作していることがわかってはじめて意味を成しました。今や、ユーザーエージェントは真にユーザーの代理人になりました。人に代わってWeb上の情報を取得するプログラムになったのです。現在、最も成熟したユーザーエージェントは、コードを読み書きし、必要なドキュメントを取得し、ページを読んでも視覚的に認識しないコーディングエージェントです。
エージェントはCSSをレンダリングしたりヒーローイメージを見たりしませんし、広告をクリックすることもありません。しかし、エージェントの向こうにはお金を支払う人間がいます。各リクエストに費用負担者と目的があるのです。リクエストをブロックすると顧客をブロックすることになります。スクレイパーとして扱うと顧客を失うことになるのです。
エージェントはそれぞれ、その機能の対価を誰か(個人または企業)が支払っているから動作しています。トークンをただ費やすために使う人はほとんどいません。すべてのリクエストの先に成果と請求がある新バージョンのインターネットは、現在のインターネットとは全く異なるものになるでしょう。
Webはこの新バージョンを想定して構築されていませんし、アナリティクスもそうです。ビジネスモデルも、この展開を想定したものはほとんどないでしょう。エージェントがどう読み、発見し、呼び出し、支払うかが、インターネットが開かれたままになるか閉じられるかの分かれ目になります。1つのシナリオとして、発見、認証、決済を一握りのスタックが牛耳り、他は皆それらを通じてやり取りするという未来が考えられます。もう1つのシナリオでは、インターネットのオープン性が維持されます。プリミティブは誰でも実装可能な標準に基づいて構築され、コードが公開されているため中立的な基盤環境で動作します。
Cloudflareはオープンなインターネットの価値を信じ、それが繁栄する未来の構築に貢献できる立場にあります。

当社が基礎とする仕様は、誰でも実装できるオープン標準(x402、MCP、Web Bot Auth、PACT)です。ドメイン所有者は、自分のアイデンティティプロバイダー、決済処理業者、エージェントパートナーを選択します。Cloudflareはあくまで1つの選択肢であり、スタック全部ではありません。当社しか使えない特権的経路や早期アクセスAPIはなく、私たちはただカスタマー・ゼロとしてお客様と同じ基盤を使っています。「カスタマー・ゼロ」はCloudflareが人間向けWebについて15年間果たしてきた役割であり、エージェンティックインターネットについても果たしていくつもりです。
エージェンティックインターネットで人が気づくのは、エンジニアリングではありません。新しいメディアを手にする人は、Webを評価したのと同じ方法でそれを評価するでしょう。つまり、「良くなったかどうか」が基準になります。レストランの検索と予約が9回でなく1回のやり取りで済むか、相手が誰かわかるか、決済が安全と感じるか、といった観点で評価するのです。
当社の理念:読み取り、発見、呼び出し、決済が可能なエージェンティックインターネット
まずは認証です。Web Bot Authを使うと、ボットは訪問先サイトに対して暗号技術で身元(アイデンティティ)を証明できるため、パブリッシャーは誰を歓迎し、誰を拒絶するかを決定できます。推測の必要はなくなり、ユーザーエージェント偽装に悩まされることもありません。多くのサイトは、ログインやアプリ内挙動、購買履歴から、リクエストの背後にいるユーザーをすでに知っています。そうしたサイトはプライベートアクセスコントロールトークン(PACT)を発行できます。Mozilla、Google、Microsoft、Shopifyと共同で発表したPACTは、サイトが匿名で身元保証することを可能にするもので、エージェントはそのトークンを他でも提示できます。正当なエージェントは摩擦の少ないアクセスが可能になります。
それによって、エージェントは業務を遂行しやすくなります。Markdown for Agentsを使うことで、エージェントはWebサイト読み込み時のトークン数と帯域幅を抑えることができます。WebMCPは、エージェントがユーザーに代わってサイトとやり取りするためのネイティブの手段を提供します。x402のような標準を使えば、エージェントが加盟店に直接支払うこともできます。
「読み取り可能(Readable)」はシンプルです。AIエージェントがネイティブに(自らにとって自然な形で直接)コンテンツを読み、AIエージェントの強みを活かすことができるかということであり、エージェントが消費する帯域幅とトークンが少ないほど優れています。見もしない人間のためにHTMLタグを付けるのは、計算資源の無駄遣いであるだけでなく、コンテキストウィンドウの汚染にもなります。コンテキストに無関係の情報が混ざって、エージェントがそれを無視する処理にコストをかける羽目になるのです。Markdown for Agentsはこれをサーバーサイドから解決します。
クライアントサイドでは、ブラウザ構築にあたってエージェントを最優先しました。新しいブラウザKitesurfはWorkers上で動作できるほど軽量で、リクエストごとに起動し、使用後に破棄することができます。従来のブラウザのように人間向けの機能で肥大化することなく、エージェントが必要とするコンテンツと機能を提供します。
「発見可能(Discoverable)」は、エージェンティックインターネットにおけるあらゆる経済活動の起点です。エージェントがリソースの存在を知ってはじめて、リソースの読み取り、ツールの呼び出し、取引の決済が始まり得るのです。検索は話の半分に過ぎません。エージェントは、ゆっくり入力して拾い読みする人間のために設計されたキーワードボックスではなく、エージェント向けのインターフェースを通じて目的の情報を見つける必要があります。本日公開されたAI Searchを使えば、どんな公開サイトもエージェントで検索可能になります。
あとは発見されることです。コンテンツクリエイターとAPI所有者は、エージェントにどれだけ見えているかを知る必要があります。Agent Engine Optimization(AEO)は、重要なモデルとエージェントについてブランドの視認性を測定します。顧客が利用するエージェントに測定可能なレベルで見えていなければ、顧客にとってはオフライン状態にあるのも同然です。
「呼び出し可能(Callable)」は、エージェントが機能を実行できるということです。たとえばレストランの予約、サブスクリプション契約の更新、レポートの作成などですが、人間向けWebサイトではそれぞれ見た目が異なります。それは、人間がユーザーインターフェースを操作することを前提に作られているからです。To-Doリストにアイテムを追加しようとするエージェントは、HTMLを解析し、どのボタンが「追加」か推測してクリックを合成し、ドキュメントオブジェクトモデルが前回見たときから変更されていないことを願うしかありません。
WebMCPは、サイトがブラウザを通じて動作をエージェントに直接公開できるようにします:
document.modelContext.registerTool({
name: "add-todo",
description: "Add a new item to the user's active todo list",
inputSchema: {
type: "object",
properties: {
text: { type: "string", description: "The todo item text" }
},
required: ["text"]
},
async execute({ text }) {
await addTodoItemToCollection(text);
return { content: [{ type: "text", text: `Added: "${text}"` }] };
}
});“contract”というツールが明示的になります。HTML解析は不要で、フォームフィールドを推測する必要もありません。ツールはページ内で動作し、ユーザーの既存のセッションと状態を再利用します。Code Mode はさらに一歩進んでいます。エージェントはコードで考え、ツールを呼び出す際もコードを書く方が文章を書くより速く、正確です。エージェントは、Webページをスクレイピングするのではなくエンドポイントを呼び出すため、どのコンテンツが実際に使用されているかがコンテンツ所有者に明確に伝わります。
「決済可能(Payable)」は、私たちが考えるエージェンティックインターネットの未来像です。経済取引はすべて、最終的には支払いの方法が必要です。広告ベースのモデルは破綻しつつあります。シートベースのモデルは、ユーザーがプログラムの場合は機能しません。誰もが頼りにするパブリッシャーも、ページビューが無い場合やブラウザが広告を非表示にした場合は、活動資金を調達できません。
広告を掲載しても収益化できなかったレシピサイトが、エージェンティックインターネットの規模でなら、取得(フェッチ)1回あたり1セント未満のわずかな額を請求することで利益を上げられます。地方紙は、ライセンス契約やログイン(アカウント登録)なしで、記事閲覧時にその都度許諾(一時ライセンス)することができます。一方、エージェントは人間が一度設定した財布(ウォレット)と予算を持って現れます。
すべての有料取引で領収書が発行されます。パブリッシャーはどのエージェントがどのページを取得したかを証明でき、エージェントは使用したものの対価を支払ったことを証明できます。Walletsを使えば、エージェントはコンテンツやAPIの使用料を簡単に支払えます。Monetization Gatewayを使えば、ドメイン所有者は数クリックでエージェントからの支払いを設定できます。
Cloudflareはそもそも、そのすべての中間に位置しています。すでに数十億の人間と訪問先サイトの間に在って保護し、通信を高速化し、オンライン状態を維持しているのです。その仕事の形は、エージェントによってトラフィックが変わっても不変です。Cloudflareは、パブリッシャー、加盟店、エージェントビルダー、エンドユーザーが皆信頼できる中立の高性能レイヤーであり、彼らと競争することはありません。
私たちは、ドメイン所有者がサポートしたい種類のAIエージェントを強化し、サポートしたくないものをブロックするためのツールを提供したいと思っています。開発者ツールは、AIエージェントが発見して推薦し、使用料を払ってくれるように、エージェント対応(agent-ready)になりたいと望むでしょう。パブリッシャーは、(リソースを消費するだけで何も返さない)抽出型AIエージェントをブロックし、コンテンツのライセンス契約や対価支払いをするAIエージェントは許可したいと思うかもしれません。非営利のデータ提供者は、レート制限を超えるボットや人間をブロックし、ブロック解除のための支払いをしてその資金を超過分のリソース消費に充てることは許可したいと考えるかもしれません。
旧来のボットは死に、新生ボットの時代へ
ボットと人間の区別は以前ほどシンプルではありません。「ボットは悪、人間は善」とか「人間が消費すべきリソースをボットが浪費している」といった単純なことではないのです。それは古い考え方で、エージェントの世界では時代遅れです。
私たちはエージェントを新しいタイプのアクターと考えています。その行動は、たとえばリソースを保護する形でコンテンツを閲覧する、ドメイン所有者が指定する方法でWebサイトとやり取りする、使用分の対価を支払うなど、望ましいものもあります。一方、望ましくない行動もあります。たとえば、対価も払わず何百万ページものスクレイピングを行う、ブロックを回避しようとする、robots.txtを無視するなどです。人間とボットに適切なツールが提供されれば、望ましくない行動の多くは減少し、望ましい行動に変わりさえすると、私たちは信じています。
収益ギャップの解消
Cloudflareは長年ボットを検出し、ドメイン所有者がボットのアクセスを管理できるようにしてきました。欠けていたのは残りの半分、つまり、エージェントがアクセスを許可された後にサイトとどうやり取りするのかという部分です。今回発表したエージェントツール群は、Webサイトを読み取り可能、発見可能、呼び出し可能、決済可能にします。それら4つのプリミティブはすべて、オープン標準に基づいて構築されており、一社がその基盤を独占することはありません。
オープンなエージェンティックインターネットには、双方の多様性が必要です。パブリッシャーやコンテンツクリエイターだけでなく、エージェントも多様でなければならないのです。需要側が収束すれば、供給側がどんなにオープンでも意味がありません。インターネットは依然として壁に囲まれた庭(ユーザーが囲い込まれた状態)のままでしょう。
私たちは、それに代わるオープンなインターネットを構築しています。Cloudflareの新しいダッシュボードでサイトをエージェント対応にすることで、この活動にご参加ください。ご登録いただければ、当社のAnswer Engine Optimization製品に関する最新情報をお届けします。サイトやエージェントを運営されている方は、当社のAI Playgroundを使ってインターネットの新技術をすべてお試しいただけます。


