いよいよシッピングの時です。 当社にとっても(これがInnovation Weeksの真髄です!)、開発者の皆様にとっても。
シッピング自体はいつも楽しいものですが、そこまでたどり着く行程は常に順風満帆とは限りません。 何かをアイデアから形にするには、多くの好条件が揃う必要があります。 今週は、当社のプラットフォームで既に構築されている200万人を含め、開発者の皆様がアイデアを実現できるよう支援することがテーマです。
フルスタッククラウド
アプリケーションを構築するには、さまざまなコンポーネントを組み立てる必要があります。
アプリケーションの顔であるフロントエンドは、ユーザーを効果的に惹きつけるために、直感的で反応が良く、視覚的に魅力的でなければなりません。 舞台裏では、データの処理、保存、検索を処理し、スムーズな機能とパフォーマンスを確保するバックエンドが必要です。 さらに、この一年でAIも関与し始め、あらゆるアプリケーションにAIの要素が必要になってきています。AIがスタックの重要な一部になってきているのです。
これらすべてのコンポーネントと他の必要コンポーネントを開発者である皆様に提供するのが、良いプラットフォームです。
食料品店から帰宅して食材の買い忘れに気づくほど苛立たしいことはありません。重要なコンポーネントや機能の一部がプラットフォームにないと気づくのも、それと同じです。
当社では、開発者が必要とするツールを提供することもプラットフォームとしての重要な役割だと考え、Developer Weekでは毎回、開発者が必要とするツールをより多く提供することを使命としています。今週も、フロントエンドからバックエンド、AIまで、新たなツールやプリミティブを発表する予定です。
しかし、当社の仕事はそれだけに止まりません。良いプラットフォームがコンポーネントを提供するのであれば、_優れた_プラットフォームはさらにその一歩先を行きます。
優れたプラットフォームの仕事は、コンポーネントを提供するだけではなく、それらがうまく連携するようにして開発者の仕事を容易にすることです。 開発者プラットフォームに関する当社のビジョンは、まさにそれです。必要なツールを先読みして提供するだけでなく、それらの連携と開発フローへの統合のしかたも考えているのです。
今週は、Workersのサービスを初めて開発者エクスペリエンス統合のためのバインディングを通じて公開し、統合データプラットフォームのビジョンを説明し、フレームワークのサポートに関する最新情報を提供するなど、当社の統合プラットフォームのビジョンに関する発表や詳細説明をお届けします。
コネクティビティクラウド
可能な限りCloudflareを基盤にしていただければ嬉しいですが、新規構築の開発プロジェクトが稀であることは当社も承知しています。 この業界で長年活動する企業であれば、自社アプリケーションの大部分が既にどこか(他のクラウドやオンプレミスなど)に存在している可能性が高いでしょう。
そのため、当社は常に、既存のインフラや他のプロバイダーへの接続を容易にし、バックエンドの場所に関係なくアプリケーションを高速かつグローバルに動作させることで、Cloudflare上で構築するメリットを得ていただけるよう努めています。
逆もまた然りで、もしお客様のデータがCloudflare上にあり、他のプロバイダーからアクセスする必要がある場合、エグレス料金を課してデータの転送を難しくするようなことは当社ではいたしません。
実験用のクラウド
開発プロセスには、コンポーネントを組み立て始める前か、むしろ企画や仕様を考える前に踏むべき、重要にもかかわらず軽視されているステップがあります。それは実験です。
実験にはさまざまな形があります。 製品や機能の開発に何か月もかける前にMVPを作成して試すのも実験ですし、 新しいツールやフレームワークを試すために個人Webサイトを丸々書き換えるのも実験です。
実験がプロセスの一部であることは見過ごされがちですが、実験なしにイノベーションは起こりません。だからこそ、当社は実験を奨励し、プラットフォームの一部としてサポートしたいと常々考えています。
そのため、当社では創立以来、無料枠を気前よく提供してきました。これは当社の基本姿勢であり、当社プラットフォームの定番サービスとして今後も期待していただけます。
「デモから本番まで」のクラウド
さて、必要なツールはすべて手に入れ、実験の機会も得ました。そして、いずれシッピングの時が来ます。
シッピングはエキサイティングですが、脆弱になり怖い過程でもあります。 自分が懸命に取り組んできた結果を世間に披露して、批判を受けるわけですから。 自分のコードが、未テストのエッジケースや悪用の世界にさらされるのです。 自分がリリースしたコードのせいで、待機中の同僚が午前1時に呼び出される可能性があるのです。
だからといってシッピングをしないという答えは、もちろん間違いです。
正解は、開発者をサポートし、怖い部分を乗り越えるまで寄り添ってくれるプラットフォームを持つこと。 つまり、0から60までシームレスに拡張できるプラットフォームです。 作成したコードをテストするためのツールを提供し、徐々にリリースして自信が持てるようにしてくれるプラットフォームです。 夜中の1時に不具合の原因を究明する際に必要な観測可能性を提供してくれるプラットフォームなのです。
今週発表する内容は皆様の安眠の役立つと思いますので、どうぞお楽しみに。
「デモから本番まで」のクラウド - 推論用
本番環境へのデプロイの怖い部分についてお話しました。これらはすべてAIにも当てはまりますが、今日のAIアプリ構築、特に本番環境での構築には独自の課題があります。
SoraやDevinなど、新しいAIのデモ動画が毎日のようにバズっています。AIによって私たちの世界ががらりと変わることは想像に難くありませんし、刺激的でもあります。 しかし、実際にAIのユースケースに取り組み、実装を始めた方であれば、AIを真に機能させることがいかに大変か、厳しい現実をご存知でしょう。 モデルの選択、RAG、微調整...。望む結果を得るためには数多くの試行錯誤が必要です。
しかも、それは本番環境に移る前の話です。
本当に大変なのは本番移行時です。過剰なプロビジョニングやコストを避け、稼働を維持するのに十分な容量をプロビジョニングするのは至難の業です。 これこそが、当社がWorkers発表当初から解決しようとしてきた課題です。開発者がインフラについて心配せず、作りたいアプリの開発に集中できるようにすることです。
最近のAIの台頭により、こうした課題の多くが再び浮上してきたようです。 幸い、負荷とインフラの管理はCloudflareが得意とするところ。 10年以上にわたるプラットフォーム運営で実践してきたことです。 すべては一つの巨大なスケジューラーなのです。
当社のAIプラットフォームが目指すのはAIワークロードのデプロイにおける課題解決の支援であり、他のあらゆるタイプのワークロードに関してやってきたことと全く同じです。 お客様がWorkers AIでCloudflareに直接デプロイするにせよ、他のプロバイダーを使うにせよ、アイドル状態のコンピュートに過剰なコストをかけることなく、必要なモデルにアクセスするために必要なツールの提供を支援します。
心配はいりません。大丈夫です。
さて、今週のお楽しみは?
私の家族は誰一人隠し事ができません。例えば、姉は私に誕生日プレゼントをくれますが、前週には必ずネタバレします。私にとっては、期待する気持ちと驚きの表情が楽しみのうちなのです!私の同僚はそのことを知っているようです。
ここではあまり多くは語りませんが、先週既にいくつかの予告をしました(こことこことここにヒントがあります)。このブログ投稿にも、よく読めばヒントがあります(実は私も隠し事ができない性質なのです)。
明日お会いしましょう!
一連の発表は4月1日(月)から始まります。このブログで皆様と共有し、DiscordやXで議論できるのを楽しみにしています。