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2023年第2四半期インターネットの混乱のまとめ

2023/07/27

18分で読了
Q2 2023 Internet disruption summary

Cloudflareは、100カ国以上、300以上の都市で事業を展開しており、12,000を超えるネットワークプロバイダーと相互接続することで、数百万人のお客様に幅広いサービスを提供しています。当社のネットワークと顧客基盤の広さは、インターネットの回復力について独自の視点を提供し、インターネットの中断による影響を観察することを可能にしています。

2023年第2四半期は、インターネットの混乱、特に政府主導のインターネットの遮断で特に忙しい時期でした。その四半期の間、短期間の混乱が数多く見られましたが、長期にわたる混乱も相当数ありました。 政府主導のインターネットの遮断に加え、また、悪天候ケーブル損傷停電、一般的または不特定の技術的問題サイバー攻撃軍事行動、およびインフラストラクチャのメンテナンスによる部分的または完全な障害も観測されました。

これまでも述べてきたように、この投稿は観測された障害の概要を説明するものであり、当四半期中に発生した問題を網羅的に、あるいは完全にリストアップするものではありません。

政府からの指示

中東やアフリカのいくつかの国では、たいてい、晩春になると、いわゆる「受験シーズン」が始まり、そこでは学生たちが一連の中等学校を受験します。このような試験での不正行為を防止しようと、各国政府は試験直前から試験中の期間を対象とする大規模なインターネットの遮断を実施しました。2021年のスーダンシリア、2022年のシリア、スーダン、アルジェリア など、過去にもこうした遮断を取り上げてきました。今年は、 イラク、アルジェリア、シリアの政府がこのような行動をとるのを目にしました。

イラク

今年の遮断が始まる数週間前に、イラク通信省は、不正行為防止の試みの一環として、試験期間中にインターネットの遮断を課すという教育省からの要請を拒否したことを発表したと報じられました。残念ながら、結局、2週週間後に遮断が始まり、この拒否は長続きしませんでした。
イラクでは2セットの遮断が観測されました:1つは、クルディスタン地域を除く全国的なネットワークに影響を与え、もう1つは、クルディスタン地域内のネットワークに影響を与えました。前者の一連の遮断は、9年生と12年生の試験に関連しており、6月1日から7月15日までの現地時間04:00~08:00(UTC 01:00~05:00)の間に発生する予定でした。以下のグラフは、6月中の遮断が、6月1日、4日、6日、8日、11日、13日、15日、17日、21日、22日、24日、25日、26日に発生し、インターネット接続に重大な混乱が生じたことを示しています。この遮断は、AS203214(HulumTele)、AS59588(Zain)、、AS199739(Earthlink)AS203735(Net Tech)AS51684(Asiacell)AS58322 (Halasat)など多数のネットワークプロバイダーにわたり実施されました。下のグラフでオレンジ色に強調表示されている部分は、遮断中に各ネットワークプロバイダーのトラフィックがゼロまで低下していることを示しています。

上述の通り、イラクのクルディスタン地域でも試験関連のインターネットの遮断が実施されました。ある報道は、クルディスタン地域政府の教育大臣が、「試験期間中は必要に応じてインターネットを停止しますが、例年と同様、インターネットの遮断期間は長くはなく、むしろ短くなるだろう。」という発言をしたことを引用しました。そのため、観測された遮断は一般に約2時間続き、6月3日、6日、10日、13日、17日、24日の現地時間06:30~08:30(03:30~05:30 UTC)の間に発生しました。下のグラフは、この地域の以下の3つのネットワークプロバイダーにわたる影響を示しています:AS21277(Newroz Telecom)AS48492(IQ Online)AS59625(KorekTel)

イラクのインターネットの遮断の詳細については、6月13日のブログ記事: 試験に関連したイラクとアルジェリアのインターネットの遮断が接続性の真価を問うを参照してください。

アルジェリア

2023年は、アルジェリアが全国的な試験中の不正行為を防止するため、インターネット接続を中断して6年目になります。2022年に、当社は、「アルジェリア政府は大規模なインターネットの遮断ではなく、コンテンツブロッキングに基づくアプローチに移行したようだ。」と言及しました。今年は同じアプローチが取られたようです。これは、完全にトラフィックが失われるのではなく、各試験日の間に2つの名目上のトラフィックの低下が再び観察されたためです。これらのトラフィックの移行は、モバイルネットワークプロバイダー AS33779 (Ooredoo/Wataniya)AS327931 (Djezzy/Optimum)、および AS327712 (モビリス/テレコムアルジェリア)で観測されました。最初の混乱は現地時間08:00~12:00(07:00~11:00 UTC )の間に発生し、2回目は現地時間14:00~17:00(UTC 13:00~16:00)の間に発生します。

シリア

2022年に試験関連のインターネットの遮断を4回実施した後、今年は2回だけにとどまりました。6月25日と26日、現地時間05:00~08:30(02:00~05:30 UTC)の間、インターネットの遮断が発生しました。 シリアテレコム(AS29256)政府系通信会社は、フェイスブックの投稿で、文部省の要請によりインターネットが遮断されることを加入者に伝えました。

セネガル

セネガルでは、野党指導者ウスマン・ソンコ氏の有罪判決をめぐる暴力的な抗議デモにより、政府は、WhatsApp、Facebook、Twitter、Instagram、TikTok、Telegram、Signal、YouTubeなどのプラットフォームへのアクセスを制限しました。6月4日、セネガル通信省はモバイルインターネットアクセスを一時停止する声明を発表し、6月6日には停止を終了する追加声明を発表しました。モバイルインターネットアクセスに対するこれらの混乱は、以下の国内の2つのネットワークプロバイダーで見られました:AS37196(Sudatel Senegal)およびAS37649(Tigo/Free)

下のグラフに示すように、Sudatel Senegalの遮断は6月3日の現地時間15:00から6月5日の現地時間01:00まで発生し、その後6月5日の現地時間13:00から6月6日の現地時間01:00まで再び発生しました。Tigo/Freeで確認された3回の遮断は、6月3日の現地時間15:30~19:00、6月4日の現地時間13:45から6月5日の現地時間02:05までと、6月5日の現地時間13:05から6月6日の現地時間01:00まで実施されました。(セネガルはUTC+0なので、現地時間はUTCと同じ。)

モーリタニア

モーリタニアでは、警察留置場で、青年の死をめぐる抗議デモの後、当局が、モバイルインターネットサービスを遮断しました。遮断は5月30日の現地時間23:00に始まり、6日間続き、6月6日の現地時間23:00に復旧しました。(モーリタニアはUTC+0なので、現地時間はUTCと同じ。)下のグラフは、その期間中、AS37541(Chinguitel)およびAS37508(Mattel)の国内の2つのモバイルネットワークプロバイダーからインターネットトラフィックがほぼ完全に失われたことを示しています。

パキスタン

5月9日、パキスタンのイムラン・カーン前首相が汚職容疑で逮捕されました。逮捕後、 暴力的な抗議デモ が複数の都市で勃発したことで、パキスタン政府は モバイルインターネットサービスの遮断を命じるとともに、 いくつかのソーシャルメディアプラットフォームのブロッキングを実施することになりました。下の図は、国内の以下の4つのモバイルネットワークプロバイダーのトラフィックに対する命令による遮断の影響を示しています: AS24499 (Telenor Pakistan)AS59257 (China Mobile Pak)AS45669 (Mobilink/Jazz)、およびAS56167 (Ufone/PTML)。この遮断命令が、TelenorとChina Mobile Pakistanでは5月9日の現地時間22:00(17:00 UTC)、Mobilink/Jazzでは現地時間18:00(13:00 UTC)、Ufone/PTMLでは5月10日の現地時間1:00(5月9日20:00 UTC)に開始され、これにより、これらのネットワークからインターネットトラフィックが完全に失われました。トラフィックは5月12日の現地時間22:00(17:00 UTC)に復旧しました。

遮断の期間中に、Cloudflare Radarの最近立ち上げた パキスタンのインターネット品質ページを見てみると、下のグラフに示すように、モバイルネットワークが遮断された後、パキスタン国内の遅延の中央値がわずかに低下していることが観測されました。遮断前は、遅延の中央値(Cloudflareと一連の他のプロバイダで観測されたもの)は90~100ミリ秒の範囲でしたが、それ以後は平均75ミリ秒に近づきました。これは、ユーザーがより低遅延の固定ブロードバンド接続に移行した結果である可能性があります–国内のいくつかの固定ブロードバンドプロバイダは、モバイルネットワークが利用できない間にトラフィック量が増加しました。

モバイルネットワークの遮断、コンテンツのブロッキング、行政単位や都市レベルでの影響に関する追加の詳細は、5月12日のブログ記事 パキスタンにおけるインターネットの混乱のCloudflareの見解 をご覧ください。

インド

インターネットの遮断は、残念ながら、インドでは頻繁にあり、デジタル著作権団体Access Nowは、2022年に国内で少なくとも84件の遮断があったと報告しています。遮断は一般的に、よりローカルなレベルで実施され、多くの場合、長期間続きます。そのような遮断のひとつが、民族紛争の激化後、インド北東部のマニプール州で5月3日に始まり、報道によると、「偽情報やデマの拡散を阻止することによって、反国家的、反社会的要素の企てや活動を阻止する...」ことを目的としていました。そして、その遮断は、「地域社会の平和的共存と社会的秩序の維持全体に対する重大な騒乱」の可能性がありました。モバイルデータサービスは当初5日間停止され、5日ごとに発行される追加的なテンプレート化された命令を通して、停止期間は継続的に延長されました。

下のグラフは、マニプールの2つの主要ネットワークプロバイダーからのトラフィックに対する命令による遮断の影響を示しています。 AS45609(Airtel) AS9829(BSNL) の両方からのトラフィックは5月4日の現地時間18:00(12:30 UTC)頃に、大幅に減少しました。Airtelのトラフィックは低水準で推移し、6月末までさらに低下し続けました。BSNLのトラフィックは6月上旬から若干回復の兆しを見せましたが、依然として極めて低い状態が続いています。

この記事を書いている時点(7月下旬)でも、遮断命令は続いています。

悪天候

グアム

5月24日、「超大型台風」Mawar は、米国領グアムに大混乱を引き起こし、上陸後、島中の木々、建物、送電線、通信インフラストラクチャを倒壊し、広範囲に物理的被害をもたらしました。この損害の結果、下にある、国レベルのグラフに示されるように、インターネット接続が大幅に中断されました。復旧の取り組みは、ほぼ即座に始まり、 グアム電力局ドコモパシフィックGTA Teleguam いずれも、Webサイトおよび/またはソーシャルメディアのアカウントで定期的に状況更新を投稿しました。

インターネットプロバイダー2社のうち、 GTA Teleguam (AS9246)は6月中にサービス復旧をほぼ完了し、トラフィックは6月17日頃に嵐前のレベルに戻りました。実際、6月20日のFacebookの投稿 では、「本日現在、当社のワイヤレスネットワークのセルサイトの大半は稼動しています。」と述べました。しかし、ドコモパシフィック(AS3605) の復旧にはかなり時間がかかっています。下のグラフは、6月末現在、トラフィックが嵐前のレベルを大幅に下回ったままであることを示しています。

ケーブルの損傷

ボリビア

6月19日、ボリビアの電気通信会社COTASは、ポンゴの町で光ファイバーケーブルが切断されたことをユーザーに警告する最新情報を同社のFacebookページに投稿しました。下のグラフに見られるように、この切断により、以下に示す、COTASと国内のその他2つのネットワークプロバイダー間のインターネット接続が大幅に中断されました: AS25620 (COTAS)AS27839 (Comteco)、および AS52495 (Cotel) 現地時間13:00 ~18:00(17:00 - 22:00 UTC)の間。

ガンビア

ガンビアの国営電機通信会社Gamtelは、6月7日、ツイッターの投稿を通じて、加入者に局部的なファイバー切断を通知し、その後、6月8日に、さらなるケーブル切断があったことを通知しました。これらのファイバー切断により、6月7日の現地時間14:00から6月9日の現地時間00:00の間、AS25250 (Gamtel)のインターネット接続が中断され、トラフィック量は前の時期と比較して80%も減少しました。(ガンビアはUTC+0なので、現地時間はUTCと同じ。)

フィリピン

フィリピンの電気通信プロバイダーPLDTが6月5日の現地時間18:43(10:43 UTC)に、Twitterに投稿した勧告には、当社の海底ケーブルパートナーの1社が、インターネット帯域幅容量の一部を失い、そのため、インターネットの閲覧速度の低下を引き起こしていることを確認しました。当社は、パートナーと協力して、今後数時間以内にブラウジング体験を回復させる代替容量を提供できるように取り組みます。」とありました。下のトラフィックのグラフは、現地時間14:00頃(06.00頃 UTC )から始まったAS9299 (PLDT)のインターネットトラフィックへの軽度の中断を示しています。PLDTが指摘した「インターネットの閲覧速度の低下」は、下のインターネット品質グラフで明らかです。同じ時間帯に遅延の増加と帯域幅の減少が見られます。PLDT は、その後のツイートで、6月6日の現地時間06:22(6月5日の22:22 UTC)現在、「当社の海底ケーブルパートナーは、追加容量の補充を確認し、ブラウザ体験を回復しています。」と述べています。

停電

キュラソー

Aqualectra はキュラソーの主要な公益事業会社で、水道と電力サービスを提供しています。6月8日、同社はフェイスブックのページ(1234)に、パレーラの変電所に接続されている主電源ケーブルの1本の故障が原因で、「近隣全域」に影響を及ぼす停電に関する一連の警告を投稿しました。この電源喪失は島内のインターネット接続に影響を与え、下のグラフに見られるように、国レベルでトラフィックの大幅な損失が観測され、 AS11081 (UTS)AS52233 (Columbus Communications)、およびAS27660 (Curaçao Telecom)を含むいくつかのインターネットサービスプロバイダー全体でも同様に観測されました。6月9日の現地時間01:25(05:25 UTC)付のFacebookのフォローアップ投稿で、近隣全域への電力復旧が確認されました。

ポルトガル

公開された報告書(12)によると、6月6日午後、プリオール・ヴェーリョ(リスボン近郊)にあるエクイニクスのデータセンターで停電が発生し、地元の公益事業、銀行サービス、裁判所のネットワークに影響を及ぼしました。ポルトガルのインターネットサービスプロバイダーMEOも停電の影響を受け、下のグラフに見られるように、AS3243 (MEO-RESIDENCIAL) および AS15525 (MEO-EMPRESAS)のトラフィックが減少しました。下のRadarインターネット品質グラフが強調表示しているように、停電による混乱はポルトガル国内の接続品質にも影響を与えました–帯域幅の低下と遅延の増加が同時に見られ、この期間中にエンドユーザーのパフォーマンスが低下した可能性が高いことを示しています。

ボツワナ

5月19日、ボツワナで全国的な停電が発生し、下のグラフで示すように、現地時間10:45~12:15(08:45~10:15 UTC )までの約90分間、インターネットの中断が続きました。ボツワナ電力会社のツイートは、このインシデントを公表しましたが、根本的な原因は含まれていませんでした。

バルバドス

4月4日、 The Barbados Light & Power Companyが、「停電のお知らせ」をツイートし、「当社は、現在、島中のお客様が、電気がない状態であることを承知しております。」と述べました。現地時間11:46(15:46 UTC)に投稿されたこの通知は、トラフィックの大幅な低下が、全国で観測された直後のもので、停電が全国のインターネット接続にも影響を及ぼしていることを示しています。一日中、数回の追加更新を投稿した後、現地時間18:00(22:00 UTC)に投稿された最終更新では、影響を受けたお客様の100%に電力が回復したことが示されました。下のグラフは、トラフィックが通常レベルに戻るまでさらに数時間かかったことを示しています。(グラフのオレンジ色の強調表示は中断期間を表し、赤色の網掛けは内部データ収集の問題に関連していることに注意。)

技術的な問題

ナミビア

6月15日と16日にナミビアで、7時間のインターネットの中断が観測され、Telecom Namibiaが直面した不特定の「技術的課題」が原因でした。プロバイダーのツイート によると、「Telecom Namibiaは木曜日、固定およびモバイルデータサービスにおいて断続的なインターネット接続につながる技術的な課題を経験しました。」これらの課題の影響は、下にある、国レベルおよびネットワークレベルの両方のトラフィックグラフでわかります。

ソロモン諸島

4月26日と27日にも、ソロモン諸島のOur Telekomのお客様のモバイルインターネット接続が特定されていない「技術的理由」によって中断されました。4月26日、Our TelekomのFacebookの投稿 で、Our Telekomは「当社のモバイルデータネットワークは現在、技術的な理由によりダウンしています。」と述べています。下のグラフは、4月27日の現地時間06:30(4月26日19:30 UTC)から4月27日の現地時間17:00(4月27日06:00 UTC)の間に、AS45891 (Our Telekom/SBT)のトラフィックが、大幅に減少したことを示しています。Our Telekomのモバイルトラフィックの損失は、グラフがソロモン諸島の同様の混乱を示すように、国レベルのトラフィックにも影響を与えました。

グローバルなサービス提供範囲がますます進む中、SpaceX Starlinkで観測された混乱は、世界中の複数の国にわたり、ユーザーに影響を与える可能性があります。4月7日午前0時(UTC)の直前、 AS14593 (SpaceX-Starlink) から見られるインターネットトラフィックが大幅に減少し始めました。この混乱は短時間で収まり、トラフィックは2時間以内に予想されたレベルに戻りました。 イーロン・マスク氏(SpaceXのCEO)のツイッター投稿によると、この問題は「期限切れの地上局証明書に原因がありました」 (1つまたは複数のStarlink地上局に関連する期限切れのデジタル証明書が、衛星コンステレーションと地上局の間の通信を妨げている可能性があります。)

マダガスカル

マダガスカルでは、Telma Madagascarが報告した「バックボーンの問題」により、4月7日の現地時間09:15~14:00(06:15~11:00 UTC )の間、インターネットトラフィックのなんと3分の2も失われました。以下のグラフは、バックボーンの問題により、AS37054(Telma Madagascar)と同様に、全国レベルでのトラフィックが中断したことを示しています。

英国

4月4日、英国のインターネットプロバイダーVirgin Mediaが複数のサービスの混乱に見舞われ、ブロードバンドのお客様のインターネット接続に影響を及ぼしました。最初の障害は現地時間01:00(午前0時 UTC)直前に始まり、現地時間09:00(08:00 UTC)頃まで続きました。2回目の障害は現地時間16:00(15:00 UTC)頃に始まり、それから数時間にわたってトラフィック量が増減した後、現地時間21:30(20:30 UTC)頃に安定したように見えました。

Virgin MediaのTwitterアカウントは、混乱が始まって数時間後の早朝の混乱を認め、以下を投稿しました。Virgin Mediaのお客様向けのブロードバンドサービスと当社のコンタクトセンターに影響を与えている問題を認識しています。当社のチームは、現在、できるだけ早く問題を特定して解決するために取り組んでおり、影響を受けたお客様にお詫び申し上げます。」サービス復旧後の次の投稿では「お客様へのブロードバンドサービスは復旧いたしましたが、エンジニアが調査を続けているため、入念に状況を注視しております。ご迷惑をおかけしたことをお詫び申し上げます。」と述べました。「

しかし、2回目の混乱はVirgin MediaのTwitterアカウントでより迅速に認識され、16:25 UTCの投稿で、「残念ながら、一部のVirgin Mediaのお客様に断続的なブロードバンド接続の問題を引き起こしている以前の問題の再発が確認されました。影響を受けた方々に改めてお詫び申し上げます。当社のチームは問題の根本原因を見つけて解決するために引き続き全力で取り組んでいます。」と述べました。

Virgin Mediaはソーシャルメディアを通じて、障害やその解決に関して追加情報を共有していません。一部の追加情報がTwitter経由でお客様と思われる人物によって共有され、以下を投稿しました。「Virgin Mediaのエンジニアがファイバーカードを再装着し、ハブ機器をリセットしてサービスを復旧しました。 TTLは、恒久的な修正が実施されるまでの間、安定性を維持するための回避策として延長されました。
Virgin Mediaの障害に関する詳細は、4月4日のブログ記事をご覧ください: 英国におけるVirgin Mediaの障害についてのCloudflareの見解

サイバー攻撃

ウクライナ

過去のブログ記事で取り上げたように、ロシアとウクライナ間の物理的な戦争は、非常に活発なオンライン要素もあり、2022年2月に紛争が始まって以来、トラフィックの移行、サイバー攻撃、トラフィックの再ルーティングがすべて観測されています。2022年5月上旬、当社はいくつかのウクライナのネットワークプロバイダーからのトラフィックが、クリミアに拠点を置き、ロシアが管理するネットワークオペレーターであるAS201776 (Miranda Media)を経由して再ルーティングされることを観測しました。(この再ルーティングは、2つのブログ記事で詳しく説明されています:ウクライナ、ヘルソンにおけるインターネット接続の移行の追跡およびウクライナでの戦争の1年間:インターネットの傾向、攻撃、回復力。)

それから1年あまり経った5月26日、Miranda Mediaでインターネット障害を観測しました。トラフィックは現地時間16:30(13:30 UTC)頃から減少し始め、現地時間18:15(15:15 UTC)頃にはゼロになりました。この障害はクリミア半島と占領下のウクライナの一部で発生し、5月27日の現地時間06:00(03:00 UTC)頃まで続きました。公表された報道(12)によると、この障害はウクライナのハクティビストによって実行されたと報告されているMiranda Mediaを標的にしたサイバー攻撃によるものでした。

ロシア

ロシアの衛星プロバイダー、Dozor Teleport、のお客様には、ロシア国防省、北方艦隊の艦船、ロシアのエネルギー会社Gazprom、遠隔地の油田、ビリビノ原子力発電所、連邦保安庁(FSB)、Rosatom、その他の組織が含まれ、6月29日に数時間の障害が発生しました。01:30~17:30 UTCの間に発生した障害は、サイバー攻撃によるもので、 少なくとも2つのグループが犯行声明を出しました。

軍事行動

チャド

チャドでは4月23日と24日に複数のインターネットの混乱が発生し、複数のインターネットプロバイダーに影響を及ぼし、最終的に、国レベルでも同様に、影響が見られました。下のグラフに見られるように、障害は4月23日の現地時間04:30~06:00(03:30~05:00 UTC)および現地時間15:00~20:00(14:00~19:00 UTC)、および4月24日の現地時間04:00~08:30(03:00~07:30 UTC)に発生しました。チャドで影響を受けたネットワークプロバイダーには、 AS327802(Millicom Chad)AS327756(Airtel Chad)AS328594(Sudat Chad)、およびAS327975(ILNET-TELECOM)が含まれていました。報道によると、チャドと隣国カメルーンおよびスーダンを結ぶ光ファイバーインフラストラクチャの損傷が原因で、スーダンは、スーダン連合軍(SAF)と即応支援部隊(RSF)の衝突のさなか、インターネットサービスが中断されました。

スーダン

前述の通り、スーダンでの軍事行動により、4月にチャドでのインターネット接続が中断されました。4月中旬から、スーダンの主要インターネットプロバイダーで複数のインターネット障害が観測され、そのうちの3つが、下のグラフで示されています。同国での戦闘により、 燃料不足と停電が発生し、最終的にインターネット接続が中断されました。

AS15706 (Sudatel)では、4月23日の現地時間03:00から4月24日の現地時間17:00(4月23日01:00から4月24日15:00 UTC)まで、および再度、4月25日の現地時間03:00から4月28日の現地時間01:00(4月25日01:00から4月27日23:00 UTC)まで、完全なインターネット接続障害が発生しました。 AS36972(MTN)のインターネット接続は、4月16日の現地時間03:00~12:00(01:00~10:00 UTC)の間、および4月27日の20:00~4月29日02:00(27日18:00~29日00:00 UTC)の間、中断されました。名目上は数日かけて復旧した後、5月5日から、ほぼ完全な長期障害が始まり、数週間続きました。MTNと同様、 AS33788(Kanar Telecommunication)でも複数の長期障害が観測されました。4月19日正午にトラフィックの大幅な減少を確認後、4月21日12:00から4月29日01:00(4月21日10:00から4月28日23:00 UTC)の間、ほぼ完全な障害が見られ、4月24日深夜にごく短時間、わずかに復旧しました。5月11日の現地時間00:00(5月10日22:00 UTC)頃、より長時間の停電が始まり、これも数週間続きました。

スーダンのインターネットの混乱についての詳細は、5月2日のブログ記事をご覧ください:スーダンの紛争がインターネットのパターンに与える影響

メンテナンス

トーゴ、コンゴ共和国(ブラザビル)、ブルキナファソ

西アフリカケーブルシステム(WACS)海底ケーブルの修理作業により、4月6日、トーゴ、コンゴ共和国(ブラザビル)、ブルキナファソを含む複数の国でインターネット接続が中断されました。Canalbox CongoのFacebookの投稿のGoogle翻訳によると、この修理作業により「インターネット接続に非常に大きな混乱が生じ、全面停電の危険性がある」という問題を招く恐れがあります。(Canalbox(GVA)はアフリカの電気通信事業者で、アフリカの複数の国でサービスを提供しています。)

AS36924(GVA-Canalbox)の下のグラフは、3 つの重複する障害の注釈を示し、それぞれが影響を受けた国のいずれかの自律システム(ネットワーク)で観測された混乱に関連しています。コンゴ共和国(ブラザビル)では、現地時間16:15~23:15(15:15~22:15 UTC)の間、大規模なトラフィックの混乱が見られます。ブルキナファソでは、混乱はより早く発生し、現地時間09:15~18:00(09:15~18:00 UTC)の間に発生し、それほど深刻ではなかったが、トーゴでも同様の影響があり、現地時間11:00~23:15(11:00~23:15 UTC)の間にトラフィックの混乱が生じました。

まとめ

インターネットは、世界中の商業、金融サービス、日常生活と密接に結びついているため、インターネット接続の中断は、最終的に経済的な影響をもたらします。ケーブルの切断や悪天候など、予期せぬ、または避けられない出来事によって引き起こされる混乱による影響を受けるプロバイダーは、一般的に、そのような混乱の範囲と期間を最小限に抑え、最終的に経済的な影響を制限できるように努めています。しかし、政府主導のインターネットの遮断の場合、経済への損害は、最終的に自身が負うことになります。Internet Societyの新しいNet Loss Calculatorは、このたび、この損害を定量化する方法を提供することで、国民、権利擁護団体、政府自身が、国内総生産(GDP)や海外直接投資(FDI)、失業の観点から、インターネットの遮断の潜在的なコストを理解できます。

インターネットの混乱に関するさらなる洞察に関しては、Cloudflare Radarにアクセスしてください。@CloudflareRadar (Twitter)、 cloudflare.social/@radar (Mastodon)、およびradar.cloudflare.com (Bluesky)のソーシャルメディアでフォローするか、電子メールでお問い合わせください。

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