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プロジェクトジェンゴの物語:Cloudflareが特許トロールに挑戦、栄光の勝利

2019/11/04

14分で読了

2016年を覚えているでしょうか。Pokemon Goが大流行し、Princeを失い英国米国の選挙が衝撃で幕を閉じた年です。2016年、特許訴訟の世界では、Blackbird Technologiesが悪名を高めていました。これは、最も活動的な特許トロールトップ10に名を連ねるブティック型法律事務所の1つで、年間50人以上を相手に訴訟を起こしていました。

2016年10月、Blackbirdは特許ポートフォリオに追加できる新たな特許の取得に試む中、「PROVIDING AN INTERNET THIRD PARTY CHANNEL(インターネットによる第三者データチャネルの提供)」というあいまいな名称を使った非常に大まかなソフトウェア特許に遭遇しました。 Blackbirdは、1ドルに「十分な有価約因」を加えた対価で、この特許を権利所有者から買い取りました。 それから少し経った2017年3月、BlackbirdはCloudflareに対して特許を主張する決断を下します。

以前に説明したように、特許トロールは、開発意思のない曖昧または抽象的な特許を取得してできる限り広い範囲で主張することを可能にする、厄介なインセンティブ構造の恩恵を受けて成り立っています。これらのトロールは、こういった特許訴訟を通じて、ビジネスを開始しようとしている会社、有用な製品や質の良い仕事を生み出そうとしている会社からライセンス料や和解金を巻き上げるのです。こういった主張を突きつけられた会社は、通常、長期化する訴訟や数百万ドルもの弁護士費用に苦しめられるよりも、数万ドルから数十万ドルの和解金を支払う方が結果的に迅速で安上りだと確信する傾向にあります。

この記事では、Cloudflareがこの歪んだインセンティブ構造にどのように立ち向かい、それを覆したのかを説明します。

ゲームプラン

Blackbirdからの告訴を受け、Cloudflareは断固としてそれに抵抗することを決意しました。インセンティブ構造を覆し、このシステムの悪用を特許トロールに考え直させるため、全力を尽くすことを誓ったのです。プロジェクトジェンゴは、特許訴訟から経済的な歪みを排除するために立ち上げられました。最初のブログ記事において、(1)抵抗することなくライセンス料や和解金を支払う代わりに、特許訴訟に対して精力的に抗弁する、(2)Cloudflareに対して主張されたものだけでなく、Blackbirdの特許を無効にするために使用できる先行技術の情報提供に報奨金を与える、(3)関連弁護士協会に、弁護士の職業倫理にかかわるBlackbirdの違反行為調査を依頼することで、仕組みの公平化を図れることを示唆しました。

さて、それからどのように進められたのでしょうか。

訴訟

約束の通り、Cloudflareは断固として訴えを退けました。そして、今年の初めごろのブログ記事で説明したように、一審と上訴の両方において、連邦訴訟も納得する勝利を獲得しました。2018年の初めには、カリフォルニア州北部地区の地方裁判所が、Aliceの申し立てに応じ、BlackbirdがCloudflareに対して起こした訴訟を訴訟目的の適合性を理由に却下しました。わずか2ページの命令の中で、ヴィンス・チャブリア判事は「具体性に欠けるアイデアに特許性はない」と述べ、Blackbirdの特許の主張は「サーバーとクライアント間の既存のデータストリームを監視するという抽象的な考え方を独占しようとしている」としました。 本質的に、裁判所はBlackbirdの特許は無効であるとしたため、訴訟は実際に開始される前に退けられたのです。

Blackbirdはその判決を米国連邦巡回控訴裁判所に上訴しましたが、一審判決の決定があっさりと支持され、上訴の審理からわずか3日後にその申し立てを取り下げざるをえなくなりました。この判決の後、祝杯を挙げました。

前のブログ記事で述べたように、この訴訟にはできる限り迅速かつ簡単に勝つことができましたが、連邦訴訟プロセスは2年近く続き、計1,500ページ以上の法的手続と莫大な訴訟費用がかかりました。米国最高裁判所による決定の審理を求めるBlackbirdの権利は今年の夏に期限切れとなったため、この事件は正式に幕を閉じました。最初から述べているように、プロジェクトジェンゴの進行はこの事件が終焉するまでとしていました。

法廷では決定的な勝利を得ましたが、それだけでは特許トロールにまつわるインセンティブ構造を変えるには不十分です。特許トロールは何らかの業務を遂行しているわけでなく、訴訟や開示手続にかかるコストはわずかなものであるため、トロールを繰り返せる組織なのです。

Blackbirdの特許を無効にするため、先行技術情報提供への報奨金を提供

先行技術

対Blackbird戦略に不可欠なのは、コミュニティに助けを呼びかけて、Blackbirdが保有する特許のすべてを無効にするために使用できる先行技術を見つけ出すことでした。特許の有効性に対する最も強力な法的議論の1つは、特許で主張された発明が既知のものであるか、どこかで公表済みであるということです(「先行技術」)。Blackbird特許に関する一連の先行技術は、Blackbirdによる訴訟に直面している誰もが抗弁するために使用することができます。整理されたアクセス可能な先行技術のライブラリが存在すれば、Blackbirdの特許ポートフォリオの総合的な価値が減少する可能性があります。特許ポートフォリオにこのようなリスクがあれば、インセンティブ構造の方向を転換することができます。特許トロールを支えているのが米国の法制度を悪用した金銭的インセンティブであっても、Cloudflareは、特許トロールの恐喝的な活動を嫌悪し、反撃を望む頭脳的で意欲的なコミュニティが秘密兵器となることを気付いていました。

そしてその考えは大当たりだったのです。Cloudflareは、BlackbirdがCloudflareに対して主張した特許だけでなく、Blackbirdのほかの特許について、現金と引き換えに先行技術の提供を募る先行技術報奨制度を立ち上げました。

Blackbirdの特許ポートフォリオにかかわる情報提供は数百件にも及びました。提供された内容の品質は非常に高く、多くの特許の有効性に揺らぎをかけるものだと思います。Blackbirdから訴えられたほかの当事者がうまく利用できることを願って、関連性のあるすべての提供情報を特許番号で整理してここに掲載しています。また、Blackbirdによる訴訟を受けてCloudflareに連絡してきた多数の会社や組織には、一連の先行技術をすでに転送済みです。

提供情報の大まかな内訳:

  • 155名から49件の個別の特許に関して合計275件の提出を受け、26件の特許について複数の提供を受けました。
  • Cloudflareに対して主張された'335特許に関連するのは、全体の40.1%でした。
  • 先行技術の提供で2番目(全体の14.9%)に多かったのは、「Video Game Including User Determined Location Information(ユーザー決定の位置情報を含むビデオゲーム)」と題したPUB20140200078に関連するものです。 これらの提供の大部分で、特許の主張とNianticゲーム「Ingress」の類似性が示されています。

提供されたものから、Blackbirdの一部の特許に特にダメージを与えると思われる先行技術情報の例をいくつか挙げたいと思います。

  • インターネット資源検索システム(第8996546番)
    この2004年の特許の要約に書かれた最初の2文では、本特許は「印刷された電話帳に限定されないがそれに類似する地域別出版物に利用者がアクセスできる検索可能なデータベースを有したサーバーで構成される資源検索システム。当該資源検索システムは、できればインターネットを介して、少なくとも1台のユーザーシステムと通信する。」ものとされています。

    プロジェクトジェンゴコミュニティは具体性が非常に薄いこの特許請求の文言を調査し、AT&Tのオンラインデータベースで地域的に結果を検索できるオンライン電話帳への参照を提出しました。提供内容は2000年のウェブページアーカイブへのリンクで、Blackbird特許の適合性に疑いをかけることができます。
  • 照明付き製品包装(第7086751番)
    この特許は、「販売用の製品を格納することを意図した」包装に対する保護を求めています。「製品パッケージには1つ以上の光源が含まれており、製品に顧客の注意を引くために、製品パッケージの外部にある1つ以上の開口部から光を発するように構成されています。」

    プロジェクトジェンゴへの提供物で興味深かったものの中に、次のような情報がありました。ピンク・フロイドの「Pulse」のCDパッケージングには、段ボール箱内に点滅するLEDが仕込まれており、店頭で点滅するというものです。この情報は、具体性がなく一見明白な特許製品の核心にかかわるものだと感じました。
  • スポーツブラ(第7867058番)
    このBlackbird特許は、「保管ポケット付きのスポーツブラ」にかかわるものです。

    プロジェクトジェンゴコミュニティは、’058特許の前の日付に遡る公開ディスカッションフォーラムにおいて、内側に切り込みを作成し、ブラジャー内に開閉可能なポケットができるようにベルクロストリップを取り付けてブラジャーを改造するアイデアが開示されていたことを発見しました。つまり、本質的に同じ発明だったのです。

ボーナスとして – 一方的な勝利

ジェンゴを発起したほぼ直後に、特許トロールに対する不満を共有する人から匿名の寄付を受け取りました。すでに発表した通り、行政手続中の他のBlackbird特許に直接対抗できるよう、一部の先行技術を使用してジェンゴを拡大する目的で、この寄付を役立てることができました。

当社はBlackbird特許第7,797,448番(「GPSとインターネットのリンク」)に対する行政的挑戦を開始しました。この特許は、「グローバルポジショニングシステムとインターネットで構成される統合システムで、送信者と受信者の通信コンピュータ端末の正確な地理的位置を特定できる統合システム」という広義で一般的な文言で記述されています。 最近のインターネットアプリケーションの多くでは、GPSを使って何らかの位置情報サービスが統合されているわけですから、特に技術者でなくとも、このような概念がどれほど明確で広く適用できるものであるかに気付くことでしょう。これは、特許トロールの手に落ちた危険な特許だったと言えます。

プロジェクトジェンゴコミュニティから提出された先行技術の力と、Blackbirdがスタートアップ企業から和解金を巻き上げるために '448特許を主張した回数に基づいて、Cloudflareは米国特許商標庁(USPTO)による '448特許の査定系再審査(EPR)を申請しました。EPRは、明らかに不十分な特許に異議を申し立てるために使用できる行政手続です。連邦訴訟に比べてあまり複雑でなく、より短い期間でコストも抑えることができます。

EPRの申し立ては、2017年11月に提出されました。Blackbirdは、特許により正当性を持たせて申し立てを退けられるように請求内容に変更を加えてより具体化することで、この再審査に対応しました。2018年3月、プロジェクトジェンゴが提出した先行技術によって請求が食い止められることが判明したため、USPTOは、'448特許の請求をすべて取り下げることを提案した最初の拒絶理由通知を発行しました。Blackbirdはこの拒絶理由通知に応答しませんでした。それから数ヶ月経った2018年8月、USPTOはその拒絶理由通知に基づく最終命令を下し、'448特許の請求は取り消されました。USPTOの決定により、'448特許は無効となり、以降、誰も '448特許に記載された極端な広義の文言を主張できなくなりました。

報奨制度

約束の通り、Cloudflareは情報提供活動の一環として先行技術情報を提供してくれた18人に現金5万ドルを超える報奨金を支払いました。Cloudflareに対して主張された ’335特許に関連する情報提供者には、2万5000ドル以上が渡されました。さらに、Blackbirdのポートフォリオに含まれる他の特許を無効にする取り組みに対し、情報提供者に3万ドル以上を授与しました。

全体として、Cloudflareは、コミュニティが見つけ出した技術を法的な申し立てに採用したかどうか、提出された先行技術の内容の分析、他の誰かがその技術を以前に提出したかどうか、および特定のBlackbird特許で申し立てられた技術の強さと請求回数に基づいて報奨を与えました。

最近の報奨金受取人の多くに対し、なぜプロジェクトジェンゴに先行技術情報を提出するに至ったのかを尋ねたところ、次のような回答が得られました。


「長年にわたり、いわゆる「特許トロール」が発明を押さえつけて訴訟から利益を得るために特許システムを悪用していると思われる数々の特許事件に対し、失望と怒りを感じてきました。特にジェンゴについては、Cloudflareによる過去のUniversal SSLの快挙に大きな感銘を受けていました。実際の特許トロール事件に何らかの影響を与えられる機会が見つかったとき、一緒に戦いたかったのです。」

— アダム、セキュリティエンジニア


「'335特許を読みながら、これはワールドワイドウェブ(プロキシサーバー)の基本的なデザイン原理を説明したものだと思いました。私はそのようなソフトウェアは特許の優先日(1998年)までに広く使用されていたものであることをかなり確信していました。その時点でその真理に興味を抱き、Googleで検索したのです。」

— デビッド、ソフトウェア開発者


「個人的には、ソフトウェア特許の大半は明白でくだらないものだと思っています。そういったものに特許が与えられるべきではないのです。同時に、特許請求の争いには特許のメリットに関係なくコストと時間がかかりますが、請求の出願は比較的安く済みます。特許トロールはこの不均衡を悪用し、一方で発明を妨害しているのです。プロジェクトジェンゴは、正当な理由で過去の学業から得た知識を使用できる絶好の機会でした。」

— ケビン、博士研究員


「興奮が収まりません。これまでの人生で一度でも勝利を手にしたことがなかったのです。しかも、邪悪な特許トロールを倒すために。冗談抜きに、私の人生で最高の日となりました。私が情報を提供したのは、ソフトウェア特許ががらくた同様であり、あいまいで当たり前のような請求で、頑張っている発明者から明らかにお金を巻き上げるように仕組まれているからです。それから、これを提出した時点ではホームレスであったため、一日中、図書館で過ごすことができていたのです。」

— ギャレット、サンフランシスコ在住


与えられた影響とは

プロジェクトジェンゴは、具体性のない特許を買い上げて少しの出費で訴訟を起こし、被告会社の大半から小切手が送られてくるのを期待して待つだけの特許トロールにかかわるインセンティブ構造を覆すところにすべての目的がありました。適正なインセンティブ構造の下であれば、トロールは主張にメリットがあることを証明する労力を使い果たしてしまうでしょう。また、CloudflareはBlackbird特許にある請求に対抗しようとしている潜在的な被告会社を支持できる情報を公開することも望んでいました。

影響の度合を最も簡単に測定する方法として、Blackbirdが特許ポートフォリオを掲げて新たな訴訟を起こしている件数を見ることができます。これは公的な記録です。では、その時点でのBlackbirdの活動状況はどうなっているのでしょうか。

プロジェクトジェンゴ直前の1年間(2016年第2四半期~2017年第2四半期)において、Blackbirdは65件以上の訴訟を起こしていました。2年半以上前にプロジェクトジェンゴが立ち上げられて以来、Blackbirdが出願した件数は、年間平均10件に落ち込んでいます。

訴訟件数が減少しただけでなく、組織として最盛期よりも少ないリソースで活動しているようにも見受けられます。2017年5月にプロジェクトジェンゴを立ち上げた際、Blackbirdウェブサイトでは、共同創設者2名と訴訟弁護士4名を含む計6名の法律家と6名の特許分析グループで構成された合計12名のチームが掲載されていました。現在では、ウェブサイトとLinkedInで確認したところ、共同創設者1名、訴訟弁護士1名、1名の特許分析グループの合計3名のスタッフだけが残されているようです。

倫理上の苦情(Cloudflareの一般顧問を務めるダグ・クレイマーが執筆したセクション)

Cloudflareは、マサチューセッツ州とイリノイ州の弁護士会、そして米国特許商標局(USPTO)に、Blackbird共同創設者2名に関する苦情を訴えました。知的財産請求を主張する「新モデル」と自称している点についてです。Cloudflareの苦情は、弁護士が自身を代表して主張するために訴因を取得することを禁じる職業倫理、もしくは成功報酬を弁護士でない者と分割することを禁止する規則に基づくものです。

軽い気持ちでこのような苦情を申し立てたわけではありません。倫理基準を真剣に受け止め、そういった訴訟を単に嫌がらせに使うべきではないという考えているからです。この件に関する当社の見解は、特許トロールが一般に訴訟プロセスの歪みを利用して楽に手に入るを追い求める弁護士と見なされており、その一般的な認識が弁護士に対する一般認識と法律専門家の尊厳を傷つけることになった、というものです。正に、職業倫理と弁護士会が保護しようとしている価値が損なわれているのです。

Cloudflareは、USPTOに提出された譲渡契約書に関する苦情を申し立てました。この譲渡契約書には、2016年10月にBlackbirdが '335特許を発明者から1ドルで買い取ったことが示されています。隠匿されているものの、当事者間の実際の報酬は1ドルをはるかに上回るものであったのは明らかであるため、Blackbirdは単に訴因を取得したか、もしくはBlackbirdが巻き上げた利益の一部を発明者と分割する合意がとられていた可能性があります。このような契約は、一般に職業倫理によって禁止されています。

公の声明の中で、こういった申し立てに対するBlackbirdの弁護は、Blackbirdは(1)(訴訟に積極的にかかわっている弁護士によって独占的に主導されているにもかかわらず)法律事務所ではなく、(2)取得した特許に対して成功報酬の取り決めは行われていないが、「類似した」何かを採用しているというものでした。 どちらの弁護もCloudflareにとっては驚くべきことでした。苦情を起草し、裁判所に書類を提出し、裁判官の前で論議する弁護士で構成され、またこうした弁護士が独占的に率いている組織が「法律事務所」ではない、と言うのでしょうか。実際、Blackbirdの他の案件において、Blackbirdの主導者が、通常弁護士以外の人には取り扱えない機密性の高い技術的証拠にアクセスできるように弁護士として扱われるように求められたという答弁を見つけました。そして、成功報酬の取り決めにわずかに「類似した」合意とは、一体どういうことなのでしょうか。

弁護士会を前にした懲戒手続きは一般的に機密であるため、その件の動向を報告するには限りがあります。しかし、その結果には関係なく、Cloudflareがアプローチした弁護士会は2つの州のみです。これを正しい軌道に戻すには、そのような委員会の前でうまい判決を導くだけでは不十分と言えます。代わりに、そういった全米の職能団体が、こういったケースを活動的な訴訟者間の単なる政治的抗争や論争以上のものであると示すよう、より広い範囲で方向転換することが必要です。

Cloudflareの提起した問題は、法曹の倫理の核心に触れるものです。宣誓を行った弁護士が単なる強欲や低俗なご都合主義などに陥らない高い倫理水準を確実に保つのに必要な、安全対策を決定するためのものです。これは、弁護士が単なる仕事であるのか、それともさらに高い水準を目指すべきなのかという問題にもつながっています。法廷の構成員として訴訟を起こす能力(およびそれがもたらす影響、費用、権力)を独占する仕事は、これを責任をもって遂行すると信頼できる人にのみ委ねられるようにしなければなりません。そうでなければ、倫理基準に何の意味があるのでしょうか。

最後に

プロジェクトジェンゴは、初めから、特許トロール訴訟に対する答えであり、この案件が終わり次第、プロジェクトも終了すると述べてきました。そして今こそ、幕引きの時です。この問題への取り組み方に誇りを感じてはいるものの、質の良いインターネット構築をサポートするというCloudflareの使命に専念しなければなりません。しかし、いつかこの件に立ち戻る時が来るかもしれません。特許トロールはCloudflareのような成長企業にとってリスクであることには変わらず、この経験を通じて、特許訴訟を和解で済ませることが決して正しい答えではないと確信しました。Cloudflareは和解するつもりはなく、将来的に再びこのような訴訟に直面した場合には、その対応方法として十分な策が準備されていると思っています。

Blackbirdの先行技術は、ここに掲載されたままです。また、過去数年に渡って繰り返しやっててきたように、こういった問題に直面する他社の仲間たちの相談にも応じる準備を整えています。

最後に、Blackbirdの特許ポートフォリオを調査し、このトロールとの戦いに手を差し伸べてくれたコミュニティの皆様に心から感謝を申し上げます。プロジェクトジェンゴの構想のきっかけとなったのは、皆様への信頼でした。

ありがとうございました。

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