私たちが仕事をする中で喜びを感じる瞬間はCloudflareのお客様とお話しする時間です。私たちはいつもお客様のITやセキュリティの課題から、新しいことや興味深いことを学んでいます。
近年では、こうした会話の内容に変化が見受けられます。お客様から聞く最大の課題は、簡単に定義できるものではないことが増えています。また、間違いなく個々の製品や機能で対処できるものでなくなっています。
むしろ、ITチームやセキュリティチームから聞こえてくるのは、デジタル環境のコントロールを失いつつあるということです。
このようなコントロールの喪失には、いくつかの種類があります。必要だとわかっている新しい機能の採用も、互換性の懸念からためらいを禁じ得ない場合があります。あるいは、比較的単純な変更にもどれだけの時間と労力が必要か、その変更がより影響度の高い仕事からいかに時間を奪うかを訴えるお客様も居ます。このような思いをまとめると、「どれほど大規模なチームや予算があっても、完全に事業に結びつけたり保護するには決して十分ではない」と表現できるでしょう。
この中に身近に感じるものはあるでしょうか?もしそうであれば、あなたは決して一人ではありません。
コントロール喪失の理由
ITとセキュリティにおける変化のスピードは加速しており、恐ろしいほどの複雑さをもたらしています。ITチームやセキュリティチームは、ここ数年でより幅広い技術領域を担当するようになっています。フォレスター社の最近の調査でも、「オフィス内、リモート、ハイブリッドのワーカーのセキュリティの確保を担当するチームのうち、52%がこの業務に過去5年間で取り組み始めたばかりであり、一方で46%がパブリッククラウドアプリケーションの管理とセキュリティの確保を担当するようになり、53%が法規制へのコンプライアンス対応という厄介な業務を渡された」と言う同様の変化が確認されています。
ITチームとセキュリティチームは、リモートチームとオンプレミスのチームとインフラ、複数のクラウド環境、SaaSアプリなどを接続し、それらを単一のセキュアな環境のように機能させるという、途方もない課題を突きつけられています。ですが、これの実現には難しい複数の理由があります:
ほとんどの企業では、独自のインフラ、独自のコンプライアンスニーズ、互換性が不十分なプロセスや構成によって、クラウド、SaaSアプリ、Web アプリ、オンプレミスのインフラを接続することが難しくなっています。これらの領域は単純に、容易·安全に連携できるように作られていません。
コンウェイの法則によれば、システムは組織のコミュニケーション構造と一致する傾向があるとされています。そして彼らの落ち度ではないものの、多くのITチームとセキュリティチームはかなりサイロ化しています。
このような状況では、IT部門やセキュリティ部門は、回避策や相互依存関係のもつれによって、しばしば行き詰まることになります。
幸いなことに、私たちは前進する道を見つけています。
コネクティビティクラウドへようこそ
お客様との会話で重要なことは、行間を読むことです。コントロールの喪失についてお話される時、お客様自身が存在しないと考えている何かを言葉にしないながらも望んでいるように見えます。お客様が求めるものは、IT部門とセキュリティ部門が担当するあらゆる業務をつなぐことができるものです。これは、環境内のあらゆるものと連携し、どこでも利用可能で、必要なセキュリティ、ネットワーキング、開発機能を実行することで、複雑さを軽減するものです。
さらに調査を進めることで、私たちの疑念は確信へと変わりました。IT部門およびセキュリティ部門のリーダーを対象とした調査の結果、72%が安全な「Any-to-Any」クラウドプラットフォームを高く評価していることが示されています。また、IT部門およびセキュリティ部門の予算全体の平均16%をこのようなプラットフォームに投資すると回答しています。
これをきっかけに、私たちはこの種のクラウドプラットフォームが具体的にどのようなものになるのかを考えるようになりました。必要なことをすべて達成するにはどうすればよいのでしょうか?
ここで共有する私たちが得た答え:コネクティビティクラウド。
コネクティビティクラウドは、企業がデジタル環境を保護し、接続するために必要な多くのサービスを提供するための新しいアプローチです。コネクティビティクラウドは、プログラム可能なクラウドネイティブサービスの統合されたインテリジェントなプラットフォームであり、あらゆるネットワーク(企業、インターネット)、クラウド環境、アプリケーション、ユーザー間のAny-to-Any接続を可能にします。コネクティビティクラウドにはセキュリティ、パフォーマンス、開発者向けサービスなど、膨大な種類のサービスが含まれています。あらゆる場所ですべてを置き換えることを意図したものではなく、必要な場所に合わせて適合し、多くの重要なサービスを単一のプラットフォームに統合する能力を備えています。
コネクティビティクラウドは、4つの基本原則に基づいて構築されています。
深い統合 — 組織は、デジタル環境のさまざまな要素を、従業員、パートナー、顧客と接続するためにインターネットに依存しています。コネクティビティクラウドはインターネットおよび企業ネットワークにネイティブに統合し、各ユーザー、アプリケーション、インフラ間に、安全かつ低遅延で無限に拡張可能な接続を提供します。最好調時のインターネットのように速くて簡単ですが、リスクや不確実性はありません。
プログラマビリティ — すべての企業のデジタル環境には、独自のインフラ、複数のクラウド、独自のコンプライアンスニーズ、その他非常に特殊なツール、プロセス、構成が存在します。コネクティビティクラウドのアーキテクチャは、無限の相互運用性とカスタマイズ可能なネットワーク接続を提供し、一貫したユーザーエクスペリエンスと効率的な管理を実現しながら、こうした独自のニーズに適応できるようにします。
プラットフォームインテリジェンス — 組織は、デジタル環境のあらゆるものを接続し保護するために、さまざまなサービスを必要としています。しかし、すべてを統合するのは手間であり、すべてを管理しようとすると非効率とセキュリティギャップが生じます。よく設計されたコネクティビティクラウドには、基礎レベルで幅広いサービスが組み込まれており、非常に大量のさまざまなトラフィックを分析してインテリジェンスモデルの自動的更新を行います。
簡素化 — 多すぎるITやセキュリティサービスは同時にそれらを扱うダッシュボードの数も多くなり、非効率、可視性の低さ、アラート疲れにつながります。単一プラットフォームへの100%統合は解決策ではありませんが、コネクティビティクラウドを使えばIT環境の多くを単一画面で管理でき、ツールの無秩序拡散やダッシュボード過多な状況を大幅に緩和できます。
コネクティビティクラウドは、このような特質を備えているため、コントロールを失うことなく、デジタル環境に新しいサービスを追加したり、既存のシステムのコントロールを取り戻すことができます。
Cloudflareのコネクティビティクラウド
私たちはこの4つの資質を特に重要視だと考えています。私たちは設立当初から当社のサービスを、統合性、プログラマビリティ、プラットフォームインテリジェンス、シンプルさという原則に基づいてサービスを構築してきました。そして現在、当社のポートフォリオは全体的に、お客様がセキュリティ部門やIT部門の多大なニーズに取り組む際に、これらの利点を達成するのに十分なほど包括的なものになっています。
このようなアプローチにより、Cloudflareは世界初のコネクティビティクラウドであると自負しています。
ですが、これは単なる自称ではありません。ここでは、Cloudflareを利用して自社におけるコントロールの危機を解決したお客様の例をいくつかご紹介します:
Conrad Electric社:グローバルに分散する従業員にセキュアなアクセスを提供
コネクティビティクラウドが持つプログラマビリティ、深いネットワーク統合、組み込みのインテリジェンスは、企業の従業員にセキュアなアクセスを提供するのに理想的です。
家電製品を扱うConrad Electric社は、「従業員をオンラインに維持するだけでも、一連の管理上のボトルネックが発生していた」と話します。2,300人の従業員の半数近くが、リモートで企業アプリケーションにアクセスする必要がありました。そのアクセスを可能にするには、ユーザーごとにVPNクライアントを導入·設定しなければならないという負担がありました。
Conrad Electronic社は現在、Cloudflareのコネクティビティクラウドを利用して、何百もの企業アプリケーションへのセキュアなリモートアクセスを提供しています。同社のチームは「管理負担が大幅に軽減され、Web業務の改善に割ける月あたりの時間が大幅に増えました」と話します。さらに、セキュリティ体制も強化され、「マウスをクリックするだけで、特定の個人を制限したり、機密エリアを保護することができます。1,000ものVPNプロファイルを維持する必要がないため、セキュリティが向上し、時間とコストを節約できます。」と話します。
Carrefour社:信頼できる顧客向けアプリケーションの提供と管理
コネクティビティクラウドの脅威インテリジェンス、ネットワーク統合、統一されたインターフェースは、セキュリティのギャップを埋め、グローバル規模で安全なアプリケーション配信を可能にする上でも優れています。
小売·卸売の多国籍企業であるCarrefour社は、eコマースの分野で存在感を高め、急成長を遂げています。しかし、サイバー攻撃が急増したとき、単にセキュリティスタックを増やすだけでは効果はありませんでした。同社のセキュリティチームは「複数のツールが混在して絡み合っているため、アーキテクチャの調整と制御は複雑です。さらに、ツール間の連携が不十分なため、セキュリティとパフォーマンスの問題を調査して解決するのは、複雑で時間がかかります。」と話します。
広範なセキュリティ変革の一環として、同社はCloudflareのコネクティビティクラウドを採用し、Webエクスプロイト、zero-day脅威、悪意のあるボット攻撃を防止しています。これにより、異なるベンダーの5つのセキュリティツールを置き換えることができました。それ以来、インシデントの解決時間の75%短縮を実現しています。
Canva社:革新的なアプリケーションを構築
最後に、コネクティビティクラウドのプログラマビリティとネットワーク統合は、ほとんどどのような状況でも革新的な開発を支援することをお伝えします。
世界的なデザイン大手であるCanva社もその一例です。以前は、さまざまな開発者プラットフォームを使用して、カスタムコードをネットワークエッジで実行していました。しかし、それらのサービスを利用するには時間がかかりすぎ、制限にぶつかりイノベーションが妨げられていました。
Cloudflareのコネクティビティクラウドは「当社のソフトウェアの重要な一部」となっています。同社はコネクティビティクラウドの開発者サービスを利用して、カスタムコードの構築と実行、SEOのためのページ配信の最適化、コンテンツアクセスの時間制限を行っています。最近、「Cloudflareのおかげで、私たちは製品の成長に集中でき、自社のプラットフォームが高速で信頼性が高く安全だと自信を持って新市場へ進出することができます。」と話してくれました。
さらに、同社の経験から、セキュアなアクセスとアプリケーション配信にもCloudflareを採用しており、コネクティビティクラウドが全力で機能する非常に喜ばしい例となっています。
コネクティビティクラウドの詳細
お客様こそが私たちのイノベーションに対するアイデアの源であり、コネクティビティクラウドのビジョンも例外ではありません。私たちはあらゆるモノをより簡単に、より速く、より安全に、より接続されたものにするために活動しています。そして、コネクティビティクラウドが複雑さの軽減とセキュリティの向上に役立っていることを目にすることは喜ばしい事です。
コネクティビティクラウドの詳細についてはこちらをご覧ください。しかし、それが始まりに過ぎないことを願っています。ご質問やご提案がありましたら、Cloudflareまでご連絡ください。お客様のセキュアでコネクティッドな旅をサポートし続ける方法を発見し、会話を続けられることを楽しみにしています。