毎年バースデーウィーク中に、より良いインターネットの構築に貢献するというミッションの意味を話し合います。新基準のサポートと国際インターネットコミュニティに役立つ製品を発表し、強力なDDoS攻撃対策の無料提供などを行っています。また、インターネットというものを作り上げてきた個人や企業、政府機関の国際コミュニティで、積極的に活動する一員としての役割も考えています。
2020年、CloudflareはUNグローバルコンパクト(UNGC)にシグナトリーとして参加することで、国際社会の一員として積極的に関わっていく決意を正式に表明しました。当社も、UNGCで定められた持続可能な開発目標の達成がより良く持続可能な未来の設計図になるという考えであり、本日、初のコミュニケーションオンプログレス(CoP)を発表することを誇りに思います。CoPには、当社がUNGCの原則をどのように会社全体に、より良いインターネットの構築に向けた取り組みの一環として組み込んでいくのかを記載しています。
共有価値、経済、インターネット
1999年、ダボスで開催された国際経済フォーラムで、Kofi Annan国連事務総長(当時)がビジネスリーダーたちに向けて厳粛なメッセージを送りました。その中で、人権や環境の持続可能性、公正な労働慣行などの基本的な保護は、_世界にとって良いこと_または_ビジネスにとって良いこと_であるだけなく、自由で開かれたグローバル市場を長期的に安定させる基盤となるものだと説きました。
また、Annan氏はこうした基本的な保護が正しく行われなければ、政治的にも経済的にも悲惨な結末になりかねないと警告を発しました。特に、政府や非政府団体、企業が国内市場の基盤を成す共有価値を新しくできたグローバル市場に反映させることができなければ、世界経済は脆弱で不安定なままになるでしょう。Annan氏は、虐げられていると感じる人たちが「保護主義、ポピュリズム(大衆迎合主義)、ナショナリズム(国家主義)、民族至上主義、狂信主義、テロリズムなど、困窮と不安感につけ込む冷戦後のあらゆる『〜主義』や『〜イズム』」に利用されるであろうと語りました。
あれから20年以上が経過しましたが、Annan氏のメッセージはやはり的を得ていましたね。実際、当社は人権、環境の持続可能性、公平な労働慣行、汚職防止はグローバル経済の基盤であるだけでなく、より良いインターネットの構築においても基本になると考えています。
グローバルコンパクト
国連グローバルコンパクト(UNGC)は、162か国から14,000以上のメンバーが参加する世界最大の持続可能性推進イニシアチブです。UNGCの使命は、企業が事業活動や戦略をUNの原則や価値観と整合させるよう働きかけることです。
参加者は3つの誓約を求められます。国連の10原則に従って責任を持ち事業運営すること、国連の持続可能な開発目標(SDGs)を推進する戦略的な行動をとること、実施について年間報告書を提出することです。
10の原則
UNGCでは企業に対してまず、人権、環境の持続可能性、労働保護、腐敗防止を含む国連10原則に具現化される基本的な責任を持って企業を運営することを要求しています。この原則自体は、世界人権宣言、労働における基本的原則及び権利に関するILO宣言、環境と開発に関するリオ宣言、腐敗の防止に関する国際連合条約のような関連する国連条約に由来します。
持続可能な開発目標
次にUNGCが参加者に求めることは、国連の持続可能な開発目標(SDGs)の推進です。SDGsは、2015年に加盟193か国が全会一致で採択したグローバル開発に関する緊急行動要請です。1992年のアースサミットやミレニアム開発目標、2015年の国連持続可能な開発サミット、気候変動のパリ協定など、それまでのいくつかの国連開発イニシアチブを基に策定されたものです。17項目のSDGsは、それぞれが大まかな目標と具体的なターゲットから成り、指標や経過報告、測定基準も定められています。
Cloudflareは、UN SDGs 17の目標すべての推進に取り組んでいます。もちろん、当社も他の企業と同様、自社のビジネスとの関連性が最も強いSDGsを取り組みとCOP報告の中心に据えています。
SDG 5はジェンダー平等とすべての女性と女児のエンパワーメントを実現することを目標としています。パンデミックのしわ寄せが女性労働力に偏ってきている今、特に関心が向けられる目標です。当社は昔から、労働力の多様性を推進することの重要性を信じてきましたし、出産や家族や大切な人の介護のためにキャリアを中断していた人たちに働くチャンスを提供するリターンシッププログラムに参加して大きな恩恵を得てきました。今年はさらに前進して、賃金平等に関する報告の提出を始め、EU憲章や英国技術系人材憲章など複数の多様性憲章に署名しました。また、国際女性の日に合わせ、丸1か月にわたって、コミュニティを育み、自分を女性と認識する人たちの成長と発展をサポートするイベントとプログラムを主催しました。
Cloudflareのプロジェクトガリレオでも、女性のエンパワーメントを支援する世界中の団体に、サービス妨害攻撃(DDoS)や他のオンライン脅威から保護するサービスを無料で提供し、ジェンダー平等を推進しています。このプロジェクトを通じて、Women in Media Initiative Somalia(WIMISOM:ソマリアの女性ジャーナリストのエンパワーメントに取り組み、女性や女児、子供に対する暴力撲滅キャンペーンの最前線に立つ団体)などと協力できていることを誇りに思います。
SDG 13は、気候変動とその影響に対応する緊急行動に関する項目です。Cloudflareは常に効率性を企業の中核に据えてきましたが、環境への影響を減らし、インターネット全体を環境に優しくする取り組みを行ってきました。温室効果ガスを削減するために、ネットワークの電力を100%再利用可能なエネルギーにすると公約し、2020年にその目標を達成しました。その他の取り組みとして、当社ネットワークに関連する過去の温室効果ガスの全てを2025年までに削除または削減します。
Cloudflareは今年も、当社のお客様が掲げる気候と排気に関する目標を達成できるように新しい製品を発表してきました。たとえば、コンピューティングの負荷がエッジネットワークにあるロケーションに向けるようにしました。この結果、気候に関していい成果が挙げられ、お客様には各々の温室効果ガス排出量の情報をリアルタイムで提供でき、開発者には100パーセント再生可能なエネルギーで稼働するインフラストラクチャでウェブページの構築ができるオプションも提供しています。
今後の取り組み
Annan国連事務総長(当時)は最終的にUNGCとなった提唱の中で、多国籍企業の台頭は民間企業が人類を前進させる空前のチャンスになり得ると述べました。今年もバースデーウィークが到来し、より良いインターネットに向けたCloudflareの取り組みすべてをお知らせできることを嬉しく思います。そしていつも言う通り、これは始まりに過ぎません。