関係者各位

Cloudflareは2010年9月27日に設立されました — 10年前の今日です。当社はこの10年間で大きな変貌を遂げており、立ち止まって、これまでの軌跡を振り返ることは難しくなっております。10年前の設立当初、当社を使用しているWebサイトは、数千ほどでした。当社の小さなオフィスはカリフォルニア州のパロアルトのネイルサロンの上にあり、メンバーは両手で数えるられるほどでしたが、データセンターのロケーションの数は、片手で数えられるほどでした。

最初のオフィスの外で (2010年 パロアルト)撮影:Ray Rothrock

会社が成長するにつれて、開発者や中小企業のWebサイトを増やし、保護することに一生懸命になるあまり、全体像を捉えなくなるというのは起こりがちなことです。しかし今年は、誰もが、生活の多くの場面でインターネットに依存していることがより鮮明になりました。公共の情報やサービスへのアクセス、仕事のため、友人や大切な人と連絡を取り合うため、子供の教育、食料品の発注、最新のダンスを習うため、その他多くのもののためにインターネットは使われています。インターネットは私たちが毎日行っている多くのことを支えています。より良いインターネットを構築するというCloudflareの使命は、日々ますます重要になってきているように感じます。

年月を経て、Cloudflareは1枚の紙に書かれたアイデアから、何百万人もの顧客を支える世界最大のネットワークの1つになりました。ネットワークを柔軟でプログラム可能なものにしているため、ネットワークで実現させてきたことも、年月の経過とともに拡大していっています。現在、当社はインターネットをエンドツーエンドで保護し、企業のインフラストラクチャから、個人まで、より高速で安全なプライベート接続を求める人を支援しています。プログラム可能なグローバルネットワークは、当社がこれまで達成してきたすべてのものの中核となっています。

創始者から周年記念のご挨拶(最新版)

この日は、Cloudflareが株式を公開してから、約1年の記念日でもあります。当時、最初の創業者のご挨拶を未来の投資家の方々に宛てて書きました。当社が誕生日だと考えるこの日に、この10年間やってきたように、前年を振り返り、9月27日に創業者のご挨拶を更新する慣習を始めることは、理にかなうことだと考えました。

2019年9月13日 ニューヨーク証券取引所(NYSE)で株を公開

当社のビジネスにとって、今年はすごい一年でした。IPO以来、新規顧客の記録的な拡大が見られました。この成長は、既存の顧客の拡大と、新規顧客からの新規ビジネスの獲得の両方のおかげです。

Cloudflareのサービスを1つまたは複数購読しているフォーチュン1,000企業の割合は、当社が株を公開したときの10%から現在は16%以上に増加しました。Web全体を対象とした、W3Techsのデータによると、この1年間で、トップ1000万WebサイトでのCloudflareのサービス利用率が、昨年の10.1%から現在の14.5%へと伸びました。(Amazon CloudFront は、同時期、配信するWebサイト数に基づいた調査で2 位になり、0.8%から0.9%に増加しています)。

当社では毎年、創業の日を祝って、マーケットを驚かせる製品を発表することにしています。誰もが当社のネットワークを利用できる方法を拡大するための新しい方法を製品としてお届けしているのです。この活動をインターネットへのギフトだと考えています。たとえば、3 年前、 Workers というエッジコンピューティングプラットフォームを立ち上げました。それからわずか3年後の今日、数十万人の開発者がWorkersを使用してアプリケーションを構築しています。当社では、これらのアプリケーションの多くは、他のプラットフォームでは構築できなかったはずだと考えています。

今年は  Cloudflareの機能を拡張する、一連の製品をローンチしており、これがインターネットの世界を驚かせ、喜ばせるものになることを願っています。当社が特にうれしく思っているのは、Workersに新しいデータモデルを構築し、プラットフォーム上でさらに高度なアプリケーションを構築できるようになったことです。

新型コロナウィルスの年

昨年を振り返る際に、新型コロナウィルスの影響を考えずにはいられません。パンデミックにより、当社のビジネス、お客様、従業員、より広いコミュニティでは、友人、同僚、大切な人たちに影響を与えました。心の励みになるのは、Cloudflareでは、公開企業となってからの当社の歴史の半分以上、当社のチームがリモートワークをしてきたと考えることです。??

2020年はオリンピックイヤーになる予定でしたが、新型コロナウィルスにより、他のイベント同様に、実現しませんでした。8年前、Cloudflareが2歳だったとき、ワールド·ワイド·ウェブ(WWW)の生みの親、ティム·バーナーズ=リーは、2012年のオリンピックの開会式でメッセージを送りました。そのメッセージは「これはみんなのためにある」というもので、インターネットは私たち全員のためにあるという考え方は、今日のCloudflareの理念の礎であり続けています。

Eight years ago, when Cloudflare was just two, the creator of the World Wide Web, Tim Berners-Lee, sent a message from the opening ceremony of the 2012 Olympics. That message read “This is for everyone” and the idea that the Internet is for all of us continues to be a key part of Cloudflare's ethos today.

Cloudflareの創業当時、豊かな資金力を持ち、インターネット重視のトップ企業だけが利用できると考えられていたテクノロジーを、民主化したいと考えていました。当社は、Google、Amazon、Facebookのような一部の企業だけが手に入れられたスピード、保護、信頼性の類を、個人開発者から中小企業や大企業まで、すべての人が利用できるように変革する機会に恵まれたのです。

インターネットへの恩返し

10年以上にわたり、当社では常に最新のテクノロジーを他の業界に先駆けて、すべての人のために、展開してきました。そうすることで、社員、個人、開発者、顧客を当社のプラットフォームに誘致してきました。インターネットはすべての人のためのもので、大小を問わず、すべての人にサービスを提供することを目指すとき、ビジネスは成功できることを示しました。

1988年にスティーブ·ジョブズが述べた言葉は、いまでも心に響いています。「If you want to make a revolution, you've got to raise the lowest common denominator in every single machine. (革命を起こしたいなら、どのレベルのPCでも、消費者が余分な費用を払って機能を追加する必要がないようにプログラムをデザインするべきだ)」当社はハードウェアの販売をしていませんが、これは正しいと思います。機能を民主化することが重要なのです。

DDoS攻撃の惨状を見てください。DDoS攻撃は企業の大小を問わず悩ませているのに、DDoS軽減サービスはなぜ高価なのでしょう?廉価にすべきです。そこで、当社はビジネスを最適化し、低価格で、定額制DDoS軽減機能をお客様にお届けすることにしました。これは、3年前にBirthday Weekを祝うために展開した機能です

2014年の Birthday WeekにもUniversal SSLを発表し、Cloudflareのお客様全員に暗号化を無料で提供しました(以前は高価で、無料で提供することは難しかったものです)。それをローンチした週には、暗号化されたWebのサイズを2倍にしました。直後には、Let's Encryptを発表しました。Universal SSLとLet's Encryptと合わせて、Webの90% 以上の暗号化に成功し、ブラウザ内の小さな南京錠を誰もが利用できる、そしてそれが当然だと思えるものにしました。

WebがHTTPSで提供される割合 (Googleのレポートより).

お客様が必要とする時に手を差し伸べる

今年の1月には、  Cloudflare for Teamsを発表しました。この製品は、仕事がクラウドに移行するにつれ、時代遅れになったレガシーVPNとファイアウォールに代わるものとして設計されています。コロナ禍が技術の旧式化を加速し、Cloudflare for Teamsがどれくらい重要になるか、知る由もありませんでした。

筆者二人の元には、3月中旬から徐々に電話が相次いでかかってくるようになりました。最初は小さな規模の企業から、それが徐々に中規模企業からになり、最終的には大企業、そして政府機関までもが電話をかけてくるようになりました。彼らは生き残る方法を探していました。チームがリモートワークに移行し、レガシーハードウェアがそれに追いつけなかったためです。そこで、9月までCloudflare for Teamsを無料にすることで 、組織の大小を問わず、この危機を乗り越える支援をするために、短期的な利益を犠牲にすることを決めました。

第1四半期の決算報告でも述べたように、この危機のスーパーヒーローは、患者の世話をし、病気の治療法を探している医療関係者と科学者です。しかし、全期間を通して忠実な相棒であったのはインターネットでした。そして、インターネットの守護者の一人として、それが最も必要とされたときに、インターネットが世界中で高速、安全に、信頼できるものであることを保証する活動に携われることを誇りに思っています。そして、Cloudflareの製品でインターネットに頼ることがますます増えているこの前例のない時代に、企業が仕事を続けるお手伝いができることを誇りに思っています。

今後の課題

インターネットへの恩返しは、当社という存在の中核であり、この課題を避けることはありません。そして、この先にも多くの課題が待ち受けています。あと1か月と少しすると、アメリカでは選挙が行われます。2016年の選挙の後、当社は世界の他の地域とともに、元々は人々を結集するために作られた技術が、民主的なプロセスを覆すものとして利用されることに懸念を抱きました。そして、それが再び起こることを防止するために何か行動を起こすべきだと決断しました。

3年半前、米国における選挙管理を支援するすべての地方、州、または連邦当局に無料のサイバーセキュリティリソースを提供するために、Athenian Projectを開始しました。根幹となるプラットフォームとして機能する安定した政府がなければ、Cloudflareを今日の姿にすることはできなかったでしょう。そして、その根幹が揺らごうとしているとき、それを守るために当社のリソースをお貸しすることが当社の責務であると考えたのです。

今日、当社は米国の半数以上の州で、選挙インフラストラクチャの確保を支援しています。そして、選挙前のこの最後の数週間、当社チームは、プロセスが公平で、サイバー攻撃によって中断されないように、24時間体制で取り組んでいます。

この先にももっと多くの課題が待ち受けていますが、Cloudflareは逃げ出しません。世界中の善意な政府が、国民を保護するためにインターネットを規制することをますます求めています。目的は高貴ですが、インターネットの巨人といわれる大手企業だけがうまく懐柔できる法律の寄せ集めを作成してしまう恐れがあります。当社は、これらの規制に関する会話に参加し、オンライン運営がより複雑になるにつれ、かつてCloudflareをはじめたときにインターネットが用意してくれた機会を、将来のスタートアップ企業や起業家たちが確実に利用できるように支援していくことが重要であると信じています。

インターネットのために戦う

過去10年間、テクノロジーに関する楽観主義が薄れているように見えるのは悲しいことです。テクノロジー企業に抱くイメージは、間違ったことはしない存在から、正しくないことができる存在へと今日では変化しています。そして、業界の発展を見るにつけ、その変化を残念に思っています。顧客データを悪用し、ルールを無視し、プライバシーを侵害しており、事業を展開するコミュニティに対して善良ではないハイテク企業が多すぎます。

しかし、Cloudflareをはじめた10年前に信じ始めたものを信じ続けています。インターネット自体は、人々がより豊かになるための力であり、防御する価値があるものです。インターネットそのものをより良くするために努力し続ける必要があります — 常に稼働していて、常に高速、常に安全で、常にプライベートで、誰もが利用できるように。

2020年ではなく2010年にコロナ禍が起きていたら、どれくらい壊滅的だっただろうかを考えると、言葉を失います。2010年との違いは、今、より良いインターネットがあることです。より良いインターネットの構築をお手伝いできることを誇りに思います。

創業10年になりますが、Cloudfalreはまだまだこれからです。